本記事ではフリーランスを目指している会社員のかたへ、独立したあとにすぐやるべき5つのことを解説します。
こんな人におすすめの記事です
- フリーランス(個人事業主)になってから最低限やるべきことを会社員のうちに知りたい。
- 会社を退職して1週間以内
フリーランスになる前に準備することは下の記事にまとめているので、合わせてどうぞ。
個人の状況・仕事内容によって不要と考えられるものは、目次で(参考)としています。
わたしがフリーランスになってから実際にやった体験をベースに紹介しますね。
開業届を税務署に提出する
フリーランス(個人事業主)になったら、事業を開始した日から原則として1か月以内に「開業届」を納税地を管轄する"税務署"に提出します。
会社を辞めたものの、まだ売り上げの見込みがない……という方は、後述する「失業手当の受給」を検討しましょう。
わたしは7月31日付で会社を退職して、翌日の8月1日に開業届を出しました。
開業届を出すメリット
- 確定申告のとき、節税メリットのある青色申告ができる。
- 屋号入りの銀行口座を開設できる。
- 社会的な信用がアップ
開業届を出すメリットについては下の記事(出典:JCB)も参考になります。
開業届を作成する
開業届は「国税庁」にてダウンロードすることができます。
開業届の書き方に不安があるなら「Money Forward クラウド開業届」や「freee開業」が提供しているサービスを利用するのが便利ですね。
手順に沿って質問に答えていくだけで、自動で開業届の書類を作成してもらえます。
できあがった書類を印刷して、押印と個人番号(マイナンバー)を記載して税務署に提出しましょう。(控えには個人番号の入力は不要です)
わたしは独立後に「Money Forwardクラウド確定申告」のソフトを利用しようと思ったので、「Money Forward クラウド開業届」にしました。
開業届の「職業欄」の書き方は下の記事(出典:Money Forward クラウド開業届)が参考になります。
税務署に提出する
開業届を作成したら、納税地を管轄する税務署に提出します。
提出方法は下記の4つ。(2022年8月時点)
- 税務署の窓口で直接提出する
- 税務署に郵送する
- e-Taxを利用してオンラインで提出する(PC)
- freee開業(e-Tax)を利用してスマートフォンから提出
e-Taxでの提出は分かりにくく、手間と費用がかかるのでおすすめしません。
- 開業届はネットでも提出できる! 税務署に行かずe-Taxで提出する方法を解説(出典:レゾナンス)
税務署に行くのが面倒なひとは郵送するのがよいでしょう。
とはいえ郵送は下記のように準備する手間がかかるので、直接出しに行ってしまった方が楽ともいえますね。
- 開業届2部(提出用と控え)
- マイナンバーカードの写しあるいは個人番号通知書の写し+身分証明書の写し
- 控えの返信用封筒
- 切手貼り付け
わたしは直接出しに行った方が早いし楽だと思い、税務署に行きましたよ。
青色申告承認申請書を税務署に提出する
開業届と合わせて「青色申告承認申請書」を税務署に提出しておきましょう。
「青色申告承認申請書」は確定申告で青色申告をする場合に、事前に提出が必要な書類です。
開業初年度に青色申告をするために開業から2か月以内に提出する必要があるので、開業届と一緒に出しておくのがよいですね。
通常の白色申告の場合は提出の必要がないですが、青色申告は最大65万円(電子申告の場合)の特別控除が受けられるメリットがあるので、入らない理由がありません。
青色申告のメリットについては下の記事(出典:弥生 青色申告あんしんガイド)が参考になります。
国民健康保険へ加入する
これまで会社で加入していた健康保険が無くなり、代わりに「国民健康保険」に加入する必要があります。
国民健康保険は退職日の翌日から14日以内に加入しなければなりません。
退職したら速やかに、住んでいる市区町村役所で手続きを行いましょう。
加入するために「会社を退職したことが分かる書類」が必要となるので、在籍していた会社に「健康保険資格喪失証明書」または「離職票」を発行してもらってください。
できれば退職する前から会社の担当者へ伝えておくとスムーズに進みますね。
基本的には下記の書類を準備すれば十分ですが、各市町村役所のホームページを見て必要書類を確認ください。
- 健康保険資格喪失証明書または離職票
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- マイナンバーカードまたは個人番号通知カード
国民健康保険ではなく、会社の健康保険を任意継続(2年間)することもできます。
国民年金へ加入する
国民健康保険と合わせて「国民年金」へ加入しましょう。
フリーランス(個人事業主)になると、会社員のときに加入していた厚生年金等の代わりに「国民年金」に加入しなければなりません。
基本的には国民健康保険で準備する書類と同じで大丈夫ですが、各役所によっては年金手帳などが必要な場合もあります。
詳細は住んでいる市町村役所のホームページを見て確認ください。
印鑑登録をする
ご自身が住んでいる市町村役所で印鑑登録をして「印鑑登録証」を発行しましょう。
印鑑登録証を発行することで「本人である」と証明された"実印"となります。
実印は不動産や自動車の購入、公的な書類を作成する際などに必要となります。
独立してすぐに使う場面は少ないと思われますが、国民健康保険や国民年金に切り替えるタイミングで一緒に手続きしておくのがよいでしょう。
市町村役所に「登録する印鑑」と「顔写真付きの身分証明書」を持参すれば、即日で登録してもらえます。
印鑑登録について詳しくは下の記事(出典:Money Forwardクラウド確定申告)が参考になります。
源泉徴収票を発行する(参考)
会社を辞めたあと、退職した年の「源泉徴収票」を退職した会社から発行してもらいましょう。
源泉徴収票は確定申告のときに必要となります。
例えばわたしは2022年7月31日付けで退職したので、2023年になったら2022年1月~12月分の確定申告を行う必要がありますね。
そのときに2022年1月~7月に在籍していた会社の源泉徴収票が必要となるのです。
失業手当受給を申請する(参考)
勢いで会社を辞めてしまって、まだすぐには売上の見込みがない……という方は、開業届を出さずに失業手当の申請を行うのもひとつです。
- 雇用保険手続きのご案内(出典:ハローワーク)
ただ個人事業主になると失業手当は受け取れないので、失業手当の受給要件を満たすまで開業届は提出しないなどの工夫が必要になります。
失業認定を受けたあとに開業することで再就職手当をもらうこともできます。
- 個人事業主・フリーランスは再就職手当をもらえる?条件や開業届のタイミングは?(出典:Money forward クラウド開業届)
確定申告ソフトを導入する(参考)
フリーランス(個人事業主)になったら自分で確定申告をするため、確定申告用の会計ソフトを導入するのがよいですね。
会計ソフトはオフラインで利用できる従来のインストール型のものもありますが、インターネット上でデータを管理するクラウド型の会計ソフトが便利です。
クラウド会計ソフトには下記のメリットがあります。
- 自動化によって作業効率を大幅に改善
- ネットにつながれば、どの端末でも利用可能
- リアルタイムに税理士とのデータ共有が可能
- 法令改正にも無料で対応
クラウド会計ソフトは「弥生会計」や「Money Forward クラウド確定申告」、「freee」が人気が高いサービスですね。
わたしは「Money Forward クラウド確定申告」を利用しています。Money Forwardで事業用のクレカを作れて、自身が利用しているGMOあおぞらネット銀行の手数料が無料になる理由などから決めましたね。
クレジットカードや銀行口座と連携して取引明細データを自動で取得してもらえるので、仕分け入力がラクになります。
電子署名を導入する(参考)
クライアントワークで企業等と契約して仕事をする場合は、見積書や注文書、契約書、請求書などの書類をやりとりするときに押印や署名が必要ですね。
紙面の書類を郵送したり手渡しするのは面倒なので、電子署名を導入するとメールで完結してラクになりますよ。
電子署名サービスはわたしも利用している「DocuSign」がコスパよいですね。
「DocuSign」は世界中で100万社以上の会社と10億人以上のユーザーが利用しているサービスです。
個人向けの「Personal」プランであれば、月額$10(1か月に5回)で利用できます。
上図のイメージのように自分の名前を入力して電子署名として利用できます。
日本企業になじみのある印鑑ではありませんが、法的にも問題ないので安心ですね。
「DocuSign」に決めた理由は、フリーランスになる前に在籍していた会社のクライアントが使っていてなじみがあったからです。
紙でやりとりするより圧倒的に効率的でラクになるし、スマートな感じがします。
月額の費用が少しかかるものの、紙の印刷代や郵送費用、時間コストを考えれば電子署名のほうがコスパ良いですよね。
まとめ
以上がフリーランスを目指している会社員のかたへ、独立したあとにすぐやるべき5つのこと(参考+4つ)でした。
開業届をすぐに出せるなら、やることはシンプルで難しくありません。
手続きはサクッと済ませ、事業に集中しましょう。
フリーランスになる前に準備することは下の記事を参考にどうぞ。