フリーランスになりたいな。
でも具体的にどんな準備をしておけばいいんだろう?
中小企業に7年以上勤めたあとフリーランスになり、退職した会社から業務委託を受けている著者の視点から紹介しますね。
こんな人におすすめの記事です
- 会社員からフリーランスになるため、辞める前にやっておくべきことを知りたい
- フリーランスになる前に考えておくことをざっと知りたい
職種や個人の状況、在職している会社によって必要なことは異なるため、本記事をつまみ食いして自分にあったものを選択してください。
退職日を決める【退職3~6か月前】
まずは退職日を決め、逆算して行動していきましょう。
退職日を決めないと、いつまでもだらだらと先延ばしになってしまいがち。
「○○日までに独立しなければならない」理由がなければ、3~6か月後を目安に退職日を設定するのがおすすめです。
退職前は色々と検討することが多いので、最低限の余裕をもって3か月以上確保しておくのが安心と考えます。
会社に退職の意思を伝える【退職3~6か月前】
退職日を決めたら、退職する意思を会社の上司など関係者に伝えましょう。
「ぎりぎりまで伝えないでおこう…」と思うのは得策ではないですね。
なぜなら新しい仕事が入ってくることで、辞めるタイミングが難しくなってしまう場合があるから。
確かに転職するなら、転職先が決まるまで会社に言わないのもひとつです。
ですがフリーランスになるなら会社を辞めるだけなので、円満に退社するためにも退職日を決めたらさっさと伝えてしまいましょう。
また会社によっては「退職の○○か月前までには退職する旨を申告しなければならない」といったことが就業規則に書いてあるので、民法上は問題ないとはいえ、就業規則を確認して守るようにしておきましょう。
わたしの在籍していた会社では「退職希望日の2か月以上前に退職の申出をした場合、原則として会社はその申出を承諾する。」と記載されていましたね。
仕事をする場所(オフィス)を決める【退職2~3か月前】
フリーランスになることを決めたら、大事なのは仕事をする場所ですね。
自分の仕事内容や資金、仕事のしやすさを考えて、下記3つの場所を考えます。
- 自宅をオフィスにする
- 自宅で作業しバーチャルオフィスを利用
- レンタル(シェア)オフィスを利用
自宅をオフィスにする
ランニングコストを考えると、自宅での作業が一番ですよね。
フリーランス1期目から大きな売り上げ計画がない限り、自宅を選択するのがベストでしょう。
メリット
- ランニングコストが安い
- 交通費がかからない
- 移動時間の短縮
- 落ち着いて作業ができる
デメリット
- 仕事に集中しにくい人もいる
- 運動不足になりやすい
- 家にずっといてメンタルが落ちこみやすい
自宅をオフィスにする場合は下記も参考に。
バーチャルオフィスを利用
自宅で作業したいけど…自宅の住所を名刺に書いたり、顧客に知られるのが嫌な場合は「バーチャルオフィス」を検討するのもよいですね。
バーチャルオフィスのサービスを利用すれば、フリーランスの住所として東京都内の一等地の住所を借りることができますよ。
メリット
- 自宅の住所を事業用に使わなくてよい(個人情報漏洩リスクの軽減)
- 事業用の住所が東京都内になることで、自宅よりも信頼感を得られる可能性がある
- 固定電話番号を利用できる
デメリット
- 月額の利用料がかかる
- 他の利用者と同じ住所を使用することになる
- 郵便物は転送してもらうことになる
レンタルオフィスを利用
営業の都合で「事業用のオフィスを構えたい」または「自宅とオフィスは別にしてメリハリをつけたい」場合には、レンタルオフィスを利用するのがよいでしょう。
メリット
- 立地の良い場所に営業拠点をおける
- 設備投資が少なく、簡単にオフィスを借りられる
- 生活と仕事の場所にメリハリをつけられる
- 自宅の住所を事業用に使わなくてよい(個人情報漏洩リスクの軽減)
- 事業用の住所があることで、自宅よりも信頼感を得られる可能性がある
デメリット
- ランニングコストが高い
- 交通費がかかる
- 他の利用者が居ると落ち着いて作業できない可能性がある
クレジットカードをつくっておく
一般にフリーランスになるとクレジットカードの審査に通りづらくなるため、会社員のうちに複数枚もっておくのがよいですね。
とはいえ、使わないカードをたくさん持っているのも良くないので、3~5枚ほど持っていれば十分と考えられます。
クレジットカードを1~2枚しか持っていない方は、退職前にもう1枚つくっておきましょう。
わたしがフリーランスになる前に持っているクレジットカードは以下の5枚です。
- エポスカード
- 三井住友カード
- bitFlyerクレカ
- JCBカード
- PayPayカード
どのクレジットカードも年会費は無料です。
なかでも「bitFlyerクレカ」はポイントがビットコインで貯まるので、一番利用しているカードですね。
価値の変わらないor下がっている"円"でポイントをもらうより、将来的に価格が上昇する伸びしろのあるビットコインの方がうれしいのです。
屋号が必要かどうか決める・屋号名を考える【退職1~3か月前】
「屋号」とはフリーランスにとっての会社名のようなイメージです。
屋号はフリーランスとして無くても問題ありませんが、企業と仕事をするときは屋号があった方が信頼感につながると考えられます。
印象的な屋号名をつけたり、事業内容がわかりやすいネーミングにすることで覚えてもらいやすいメリットもありますね。
正直、屋号名を考えるのが一番大変でした。
短い文字数の屋号名や会社名は必ずだれかに使われていると思っておいた方がよいです。
屋号名は本記事でこのあと説明する「事業用の銀行口座」「事業用のメールアドレス」「名刺」にも絡んでくるので、大事なところ。
退職前、なるべく早めに考えておきましょう。
失業手当をもらうか検討【退職1~2か月前】
フリーランスになることを決めたけど、正直まだ収益があるかわからない…という不安な場合は、失業手当をもらうことも考えておきましょう。
退職後にハローワークで失業手当を申請するために、現職の会社に「離職票」が必要なことを伝えておきます。
退職後に会社から離職票を受け取り、ハローワークに提出して面接を受けます。
その後7日間の待期期間を経て、職業講習や雇用保険受給説明会に参加し、失業認定されたあとに給付されるイメージですね。
退職届を出す【退職1~2か月前】
退職日がいよいよ近づいたら「退職届」を準備しましょう。
退職届についても、就業規則に「○○日前までに提出」するといった内容が書いていないか念のため確認しておくのがよいですね。
また退職届を提出する際に、担当者へ会社の健康保険を喪失したことがわかる証明書(健康保険資格喪失証明書、離職票、退職証明書など)が必要なことを伝えておくと退職後にスムーズです。
フリーランスになったら「国民年金」と「国民健康保険」への切り替え(14日以内)が必要になるので、退職後すぐに受領できるように伝えておきましょう。
事業用の銀行口座
これまでプライベートや給料振込先として使っていた銀行口座とは別に、事業用の銀行口座を検討しておきましょう。
事業用の口座を持っておくことで、事業にかかわるお金の流れが分かりやすくなり、管理しやすいです。
屋号付きの銀行口座の開設は、退職後に開業届を出したあとの手続きとなりますが、退職前にどの銀行を利用するか決めておくのがよいですね。
会社員のときは、下記の銀行を利用していました。
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- PayPay銀行
- ゆうちょ銀行
事業用の銀行口座を開設することを想定して、下記の口座を退職前に開設しました。
- 楽天銀行
- GMOあおぞらネット銀行
まず手数料の安さに加えて、企業相手だと知名度のある社名の方がいいかな…と思い、口座開設もしやすい「楽天銀行」を選びました。
しかしながら楽天銀行の口座開設したあとに「GMOあおぞらネット銀行」も個人事業主の口座をつくれることを知り、追加で口座開設をした経緯があります。
個人の好みですが…楽天銀行よりもGMOあおぞらネット銀行の方が何となくいいな…と思ったのに加え、暗号資産取引所の取引口座が「GMOあおぞらネット銀行」を利用している場合が多いのも理由でした。
GMOあおぞらネット銀行の口座を持っていれば暗号資産取引所の口座に手数料無料で入金ができますね。
開業後にスムーズに個人事業主用の口座をつくれるように、退職前に個人口座を開設しておきましょう。
「楽天銀行」と「GMOあおぞらネット銀行」では個人事業主用の口座を開設するために、一般の個人口座の開設が必要です。
ちなみに「ゆうちょ銀行」なら"屋号のみ表記"の口座をつくれます。
振込先に自分の名前を入れたくない場合には、「ゆうちょ銀行」を事業用口座とするのもよいでしょう。
事業用のメールアドレス
事業の窓口となるメールアドレスを検討します。
企業や取引先とのやりとりが多い場合には地味に重要なところです。
すでにWebサイトを持っていてドメインを取得しているかたは、そちらを利用するのも良いですね。
屋号をつけるなら、ドメインを屋号名にするのがわかりやすい。
ドメインとはメールアドレスの"@"以降の文字列です。(".com"や".net"、".co.jp"など)
ドメインの前の名前をどんなものにするか考えたうえで決めましょう。(下記例)
- info@○○.com
- 氏名@○○.com
- 屋号名@○○.com
下記に当てはまる方は「シン・レンタルサーバー」でサーバー契約とドメインを取得するのがおすすめです。
- ホームページやブログを持っていない
- サーバー契約していない
- ドメインを持っていない
- フリーランスとしてのホームページ(ブログ)をつくりたい
「シン・レンタルサーバー」は当サイトで使用しているサーバーで、コスパが良くおすすめしています。
下記の記事も参考にどうぞ。
>>【ブログ初心者におすすめ】シン・レンタルサーバーvsさくらのレンタルサーバ
>>Xserverよりもシン・レンタルサーバーが優れる3つのメリット
近年は独自ドメインのメールアドレスでなくても、一般に認知されている「Gmail」で十分という意見もあります。独自ドメインの方が良いのは確かですが、無理にドメインを取得しなくてもよいでしょう。
名刺が必要か検討
オンラインだけでなくリアルで会って仕事をするなら、名刺はあったほうがいいですよね。
名刺に記載する内容は下記が一般的です。
- 屋号名
- 氏名
- 肩書/資格
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- ホームページ
氏名だけでも問題ないものの、やはり屋号があったほうが様になりますよね。
顧客との契約内容を検討
フリーランスになってから企業と業務委託契約を結ぶ場合に、必要な書類を準備しておきましょう。
インターネットで検索すれば書類のテンプレートがExcelなどでダウンロードできるので、加工して利用すれば簡単です。
発注者によって異なりますが、自分が発注を受ける立場であれば用意しておく資料は下記の通り。
- 見積書
- (注文請書)
- (納品書)
- 請求書
最低限必要なのは、見積書と請求書ですね。
注文書は発注者が作成して、フリーランスの受注者が注文請書を返送します。
注文請書は発注者が一緒に用意してくれる場合もありますね。
- 必要に応じて契約書を交わす(発注者作成・内容チェック)
- 見積書を発注者に提出
- 注文書を発注者が発行
- 注文請書を発注者に返送
- 業務が終了したら、必要に応じて発注者へ納品書を提出
- 業務完了の合意ができたら、発注者へ請求書を発行
以上が業務のおおむねの流れです。
また書類の準備より大事なのは契約内容と業務費を検討することです。
自分の単価相場や業務範囲をしっかりと考えておきましょう。
Microsoft 365の利用開始
どんな仕事をするのかにもよりますが、企業と仕事をする場合は、Microsoftのツールは今や必須アイテムとも言えますね。
フリーランスにおすすめのプランは「Microsoft 365 Personal」です。
下記のサービスが含まれており、法人向けや買い切り型のプランよりお得感がありますね。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Outlook
- OneNote
- Teams
- Access(Windowsのみ)
- Publisher(Windowsのみ)
- OneDrive(1TB)
- Microsoftエディター
Macユーザーも使えますし、オンラインストレージのOneDriveの容量が1TBもあるのがうれしいですね。
試用期間が1か月あるので、退職1か月前が過ぎた頃に無料体験で登録して慣れておくのがよいでしょう。
開業の準備にかかった費用を記録
フリーランスとして開業するためにかかった準備費用は「開業費」として独立後の確定申告で経費計上(償却)できます。
例えばわたしは自宅を作業場所として活動するために、下の記事のように準備をしました。
会社を辞めて開業届を出してから購入するのもアリですが、できることなら辞める前に準備しておきたいですよね。
独立してから混乱しないように、開業のために掛かった準備費用はレシートや購入履歴を残しておきましょう。
- 開業費の範囲とは?開業費に関する疑問を解決(出典:freee)
まとめ
以上が「フリーランスになる前に準備する13のこと」でした。
本記事は筆者の立場・実体験をもとに記載しているので、細かいところは人によって必要なものが異なってきます。
フリーランスになりたいと考えているかたに少しでもヒントになれば幸いです。
フリーランスになってすぐにやるべきことを知りたいかたは、下記の記事も参考に。